2009年08月10日

崖の上より湖畔の別荘

全く興味が無かったのですが、TSUTAYAの更新特典で『レンタル1本無料』だったので、新作で2泊3日という1番料金的に高いレンタルの仕方をして“崖の上のポニョ”をレンタルしました。

以前どこかで“崖の上のポニョ”は子供向けだと耳にしました。

その事に対し否定的な意見を聞いた事があります。しかし大人向けとして作ったら「家族で観るからもう少し子供向けに」と絶対に言われる。そして『大人も子供も楽しめる』作品にしたらしたで、またそれはそれで言われる。結局子供向けだの大人向けだの関係ない。要するに『何をしても言われる』し、求められているハードルは高くなっている。

“崖の上のポニョ”を子供向けだの大人向けだの位置付けしたがるのはナンセンス。単純に『宮崎駿ワールド』なのです。商業的な事を意識して作れば作れる宮崎駿が、あえて“崖の上のポニョ”はあのような作品に仕上げたのです。そうに違いない。

“崖の上のポニョ”を1度観た時は正直『B級アクション映画』以上に観たあと何にも残らなかった。しかし2度目は全く違っていた。「このシーンのこれはどのような意味があるのだろう」と考える自分がいた。1度目はただ「何でやねん」とつっこんでいただけのシーンなのに、そこを考えようとしているのだ。

サイキッカーなら邪推と妄想したくなる要素が満載の本編。しかも説明が少ない。いやがおうでも自分なりに解釈しないと置いていかれる。

説明はあえて少なくしているはず。しかし『説明が少なくて理解しにくい』と思った方、待ってくれ。

何作もヒット作を手掛けたスタジオジブリですよ。『あえとそうしている』事ぐらい理解できるのに、説明不足にしている部分は自分なりに解釈して理解しようとしましょうよ。与えられた事しか消化しきれないのなら、すぐに脳みそ腐ります。



僕の大好きな映画監督『ミヒャエル・ハネケ』は自身が監督した作品に対してコメントを求められても、自分の考えは一切語ろうとしない。なぜならそれが答えになってしまい『観客自身が考えるのをやめてしまう』から。

今レンタル店には新作で去年公開した“ファニーゲームU.S.A.”が並んでいる。

“ファニーゲームU.S.A.”とは1997年に公開した“ファニーゲーム”のハリウッドリメイク版です。

オリジナル版を監督したのはミヒャエル・ハネケでリメイク版を監督したのもミヒャエル・ハネケです。

ちなみに僕の近所にあるTSUTAYAにはオリジナル版のビデオが唯一1本だけあったのですが、一昨年頃に店頭から無くなった。もしかしたらレンタル落ちして売られていたのかも知れない。もしそうなら惜しい事をした。だから近所ではオリジナル版を観る事は出来ませんが、もしオリジナル版がまだ残っているレンタル店が近所にある方はリメイク版と比べて欲しい。

比べる前にあえて先に言わせてもらうが『キャストは違うがそれ以外はオリジナル版とほとんど一緒』なのです。普通はリメイクとなればオリジナルとは違っていたりします。しかもそれが自分の作品でまた自分が監督したとなれば、余計に修正したかった部分は修正すると思うのですが、ミヒャエル・ハネケは違います。凄い意識です。

『ファニーゲーム』というタイトルも素晴らしい。それがいったい『誰によるどのようなファニーゲーム』なのか。奥は深いです。必ず頭に深く刻まれます。

娯楽映画に飽きた方や、湖畔の別荘に憧れる方や、たまごを貸して欲しい方は、この夏はミヒャエル・ハネケ作品の入門編として“ファニーゲームU.S.A.”を観ましょう。
  
Posted by DNA池上 at 19:27 Comments( 0 )